旅客運送を目的としたプロフェッショナルの証
私たちが普段取得して運転している免許は「第一種運転免許」と呼ばれますが、タクシーやハイヤー、路線バス、観光バス、そして運転代行など、お客様を乗せてその対価として運賃をもらう業務に就くためには「第二種運転免許」が必要不可欠です。
これは単に車両を操作できるだけでなく、他人の命を預かって目的地まで安全に送り届けるという、より高い責任と技術が求められるプロフェッショナルのための免許です。
そのため、取得条件も厳しく設定されており、原則として21歳以上であり、かつ第一種免許を取得してから通算で3年以上の運転経験があることが要件となります。
教習の内容も、自分ひとりで走るための運転から、お客様のために走る運転へと意識を大きく切り替える必要があります。
「お客様」を意識した鋭敏な感覚と操作
第二種免許の教習において最も重要視されるのは、安全性と快適性の両立です。
第一種免許では交通ルールを守って安全に走ることが合格ラインですが、第二種免許ではそれに加えて「お客様を不快にさせないこと」が求められます。
例えば、発進時や停止時にガクンという衝撃を与えないようなアクセルやブレーキの繊細な操作、カーブを曲がる際にお客様の体が左右に振られないような滑らかなハンドルさばきなどが必要です。
これを「防衛運転」と並んで「旅客運転」と呼びます。
また、お客様が乗降する際に歩道の段差につまづかないよう、縁石に対して適切な距離と角度で停車する技術や、ドアの開閉時の安全確認など、一般ドライバーでは意識することのない高度なスキルを習得していきます。
後部座席に座っている人の気持ちになって運転するという、想像力が試される教習でもあります。
難関と言われる学科試験のポイント
技能教習に加え、学科試験についても第一種免許とは異なる難しさがあります。
合格ラインは第一種と同様に90点以上ですが、出題内容がより専門的になるのが特徴です。
道路交通法はもちろんのこと、「旅客自動車運送事業等運輸規則」といったプロドライバーが守るべき法律に関する問題が出題されます。
例えば、お客様から行き先の指定があった場合の対応や、運送の引き受けを拒絶できる正当な理由、乗務距離の制限など、業務に直結する知識が問われます。
応急救護処置に関してもより深い知識が求められたり、身体の不自由な方への対応についての問題も出たりするので、その点も踏まえた勉強が必要です。
応用問題では、プロとしてどう判断すべきかという複雑なシチュエーションが提示されることもあり、単なる暗記だけでは太刀打ちできないため、しっかりとした対策と学習時間の確保しましょう。
